「コンテンツマーケティング」という言葉を知っていますか?
「コンテンツマーケティング」とは、あなたの商品やサービスにおける潜在的な見込み顧客に対して、ニーズに応えるコンテンツ(情報)を提供することで、顧客化、ファン化を図り、購買に結びつけるマーケティング手法のことです。
2015年ごろから、さかんにこの言葉が使われるようになりました。
しかし、実際のところこの、「コンテンツマーケティング」という手法について、基本的な知識を身につけている方は少ないようです。
そこでこの記事では
- コンテンツマーケティングとは何なのか
- なぜコンテンツマーケティングを使ったほうがいいのか
といった、基本的なことを中心にお伝えしていきます。
最後までご覧いただくことで、コンテンツマーケティングの基本的な知識が身につき、どうすれば実践できるのか?というところまで理解できるはずです!
コンテンツマーケティングとは何か
この章では、コンテンツマーケティングという言葉の意味や、具体的にどんな手法なのかをお伝えします。
コンテンツマーケティングの定義
コンテンツマーケティングとは、
あなたの商品やサービスにおける潜在的な見込み顧客に対して、ニーズに応えるコンテンツ(情報)を提供することで、顧客化、ファン化を図り、購買に結びつけるマーケティング手法のことです。
最近では、IT系の企業だけでなく、地域密着型の店舗ビジネスや士業系のビジネスでも導入されるようになってきました。
では、具体的に「コンテンツマーケティング」とはどのようなものなのかを次節で解説します。
コンテンツマーケティングの全体像
コンテンツマーケティングでは、見込み顧客が将来的に、あなたの商品を購入し、継続したり口コミを起こしてくれるような関係になることをゴールとします。
そこで、見込み顧客とあなたの商品やサービスとの関係性を以下のような段階で表します。
- 認知
→あなたの商品やサービスのことを知る - 興味・関心
→商品やサービスに興味を持つ - 情報収集・理解
→商品やサービスについて情報を収集する - 比較・検討
→他社と比較し、購入を検討する - 購入
→購入を決断する - 継続・応援
→継続的に購入する / 口コミなどを起こしてくれる
そして、それぞれの段階に応じて、見込み顧客が欲しがるコンテンツ(情報)を提供します。
提供するコンテンツの事例が以下のようになります。
商品と顧客の関連性 | 顧客が欲しがる情報 | 提供するコンテンツ |
認知 | 自分の悩みを解決する方法 | ノウハウなどをまとめた ブログ記事や動画コンテンツ |
興味・関心 | より詳しい手法やノウハウ | ブログ記事や動画コンテンツ eBookやホワイトペーパー |
情報収集・理解 | どんな商品を扱っているのか | メルマガやeBook、ホワイトペーパー |
比較・検討 | 他社の商品との違いや実績 | 事例集や価格表、お客様の声 |
購入 | 商品を購入することで得られるベネフィット | 魅力的なオファー(商談やLP) |
継続・応援 | 購入者同士のつながり、より成果が出る方法 | 購入者限定の情報 |
このように、顧客の段階を見極めて、適切な情報を提供することで、自然と商品が売れていく仕組みを作ることが重要になります。
しかし、なぜこの手法が主流になってきているのでしょうか?
次の章では、コンテンツマーケティングを始める企業や個人が増えている理由をお伝えします。
なぜいまコンテンツマーケティングなのか
この章では、いま多くの企業や個人がコンテンツマーケティングを始めている理由をお伝えします。
インターネットユーザーの変化
コンテンツマーケティングが主流になっている、大きな理由の一つに「ZMOT」という概念の存在があります。
「ZMOT」とは、2011年にGoogleが提唱した、購買の意思決定におけるプロセスのひとつです。
ZMOTは平たく言えば買い物前の下調べのことであり、その行動も以前から存在していました。ただし、入念な下調べが行われていたのは、車や電子機器や不動産のような高額商品に限られていました。
それが、PCやスマートフォン、タブレット端末などの普及を受けて、下調べはより気軽で身近なものになり、その対象はより低額な買い物にまで及ぶようになった、というのがZMOTが注目されている背景です。
つまり、以前に比べて、顧客は商品を購入する前に、スマホやPCなどで下調べをすることが多くなっているということです。
特に、高額商品だけでなく、日用品や消耗品に対しても、下調べをするようになっているのです。
顧客と商品の関連性のステージに応じて、情報を提供する「コンテンツマーケティング」は、これから重要になること間違いないのです。
従来のマーケティング手法が通用しなくなっている
従来のマーケティング手法が通用しなくなっているのも、コンテンツマーケティングが流行りだしたきっかけです。
今までは、
- TVやラジオ、新聞を使った不特定多数への広告
- すでに購入の意思がある「今すぐ客」へのインターネット広告
が主流でした。
しかし、上記のような「ニーズが顕在化している顧客層」に対する広告は、大手が溢れかえり、競合が多い市場となってしまっています。
そこで、今すぐには顧客化できないけれど、「潜在的なニーズを抱える顧客層」に対して、アプローチし、ファン化することができる「コンテンツマーケティング」が主流となったのです。
コンテンツマーケティングのメリット・デメリット
ここまでは、コンテンツマーケティングがどれだけ重要になっていくかお伝えしてきました。
ここからは、そのメリットやデメリットについて、お伝えしていきます。
コンテンツマーケティングのメリット
始めるにあたってのハードルが低い
ひとつめが、導入のハードルが低いというメリットです。
コンテンツマーケティングを始めるにあたって、大半はWordPressというシステムを使って、ビジネスブログを立ち上げます。
しかも、WordPressの立ち上げ自体は、そんなに難しくはありません。
導入の最初のステップである、コンテンツを配信するメディアの構築がとても簡単なので、はじめようと思えば、すぐに始められるのです。
広告費を抑えることができる
ふたつ目が、広告費を抑えることができるというメリットです。
例えば、あなたがこれから、ブログなどでコンテンツの配信を行なった時に、そのコンテンツの役割はそこで終わりません。
検索エンジンなどで上位表示され続け、24時間365日ずっと見込み顧客のアクセスを集め続けてくれます。
有料の広告を打つわけではありませんので、広告費を抑えながら、売り上げを作ることができます。
ブランディング効果がある
最後にブランディング効果です。
ある程度、認知されるメディアを作ることができれば、
「この分野なら、ここのサイトを見ておけば大丈夫だよね」
といった認識を持たれるようになります。
また、その分野の第一人者としてのポジションを作ることができるので、ひとつのブランドを築き上げることができます。
コンテンツマーケティングのデメリット
コンテンツマーケティングの一番のデメリットは、継続性の問題です。
例えば、あなたの会社でビジネスブログを立ち上げたとしても、短期間で成果は出ません。
新規のドメインでブログを立ち上げたとすれば、最低でも三ヶ月から半年後に、検索エンジンで認知されるようになります。
また、手法自体がいくつものステップを踏む手法なので、長期的な目線が必要です。
成果が出るまで継続するための、根気や持続性がなければ、目標として成果を出すことはできないでしょう。
- 短期間で結果を出したい
- 瞬発力のある利益の出し方が好きだ
このような趣向の方にはオススメできません。
以下の記事では、コンテンツマーケティングにおけるメリット・デメリットについて詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
コンテンツマーケティングの実践方法
この章では、コンテンツマーケティングを始めるにあたって、どのような手順で何を行えばいいのかをお伝えします。
ペルソナの設定
まずは、ペルソナを設定しましょう。
ペルソナとは、あなたのビジネスにおける、理想の顧客像のことです。
コンテンツマーケティングでは、このペルソナ設定がとても大切です。
なぜなら、コンテンツマーケティングで重要なことは、
- 誰に対して
- どんな情報を
- どのような手段で
提供するのかがポイントとなるからです。
このうち、「誰に」の部分がペルソナであり、ここがブレるとコンテンツを作ることができません。
なので、まずはペルソナづくりが大切なのです。
カスタマージャーニーの作成
次に、カスタマージャーニーの作成です。
カスタマージャーニーとは
あなたの見込み顧客が商品やサービスを購入するまでの思考や感情、行動の変化を表したものです。また、カスタマージャーニーを可視化したものを、カスマージャーニーマップといいます。
このように、
- ペルソナと商品の関連性
- コンテンツの詳細
- ペルソナの感情
- ペルソナの思考
- ペルソナの行動
などを可視化したものになります。
カスタマージャーニーマップを作っておくことで、いま作っているコンテンツが、どの段階のペルソナに対するコンテンツなのかを把握することができます。
常にブレずにコンテンツ配信をするためにも、作成することをオススメします。
コンテンツマップの作成
次にコンテンツマップの作成です。
コンテンツマップとは、メディアで発信する内容を可視化したものです。
例えば、ビジネスブログを使って、コンテンツ配信をする場合、何について発信するかが重要です。
あなたのビジネスにおける、潜在的な見込み顧客に対して、どんな情報を発信していくかをコンテンツマップで洗い出します。
以下の図は、当サイトのコンテンツマップです。
「見込み顧客のニーズはこうだから、この情報を発信していこう」という地図になります。
このようにコンテンツマップを作っておくことで、コンテンツの重複や、ネタ切れがなくなります。
CMSでビジネスブログを立ち上げる
コンテンツの戦略が固まったら、ビジネスブログの立ち上げです。
コンテンツマーケティングを行う上で、使えるツールは山ほどありますが、ブログを起点にすることで、他のメディアとの相乗効果を期待できます。
ビジネスブログ立ち上げの際は、CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を活用することをオススメします。
CMSとはWEBサイトを作るための知識がない人でも、簡単にコンテンツを管理・編集することができるシステムのことです。
一般的には
- WordPress
- OpenPNE
- Movable Type
などがありますが、
- 編集体制の構築のしやすさ
- 検索結果で上位表示するためのリソース
を考えると、圧倒的にWordPressをオススメします。
以下の記事では、WordPressでビジネスブログを立ち上げるための全手法を解説しています。ぜひご覧ください。
検索エンジンから収益化までの仕組みを作る
次に検索エンジンから、収益化までの仕組みを作ります。
具体的にいうと、
コンテンツ | 段階 |
検索エンジンでブログ記事を上位表示させる | 認知の獲得 |
eBookやホワイトペーパーのダウンロードを促す | 興味・関心 |
事例や実績を紹介する | 情報収集 / 比較・検討 |
商談やLPでオファーする | 購入 |
継続的にメールなどでアプローチする | 継続・応援 |
このようなコンテンツを用意し、
このような、流れをぐるぐると循環していくための、仕組みをつくることになります。
検索結果でブログ記事を上位表示するための知識やノウハウについては以下の記事を参考にしてください。
コンバージョンを最適化する
最後にコンバージョンの最適化です。
具体的に何をするのかというと、
- ブログ記事の検索結果での順位
- 検索結果で表示された時のクリック率
- 記事の読破率
- 記事からeBookのダウンロード率
- メルマガの到達率
- メルマガの開封率
- メルマガ内のリンクのクリック率
- LPのコンバージョン率
などの数値を、テストを繰り返しながら、効率的にしていきます。
例えば、
- サーチコンソール
- Googleアナリティクス
- ヒートマップツール
- メルマガ配信スタンド
などで、数値を解析し、仮説と検証を繰り返し、数値の改善を行います。
ぜひ取り入れてみてください。
まとめ
今回は、コンテンツマーケティングの概要と、実践方法についてお伝えしました。
従来のマーケティング手法が今後、通用しなくなると予想されている中、コンテンツマーケティングはうってつけの手法だと言えます。
ぜひあなたもコンテンツマーケティングの導入を検討してみてはいかがでしょうか?