Googleアナリティクスの主要レポートのひとつである、「ユーザーレポート」。
ユーザーレポートを確認することで、あなたは
- 基本的なアクセス解析
- サイトに訪れたユーザーの属性や嗜好
- サイトに訪れたユーザーの行動パターン
などを把握することができ、それぞれに合わせて、改善策を打つことができます。
この記事では、Googleアナリティクスにおける「ユーザーレポート」の使い方と、簡単な分析方法をお伝えします。
長編の記事となっていますので、以下の目次より、見たい情報をご覧ください。
目次
- 1 「概要」で基本的なアクセス解析をする
- 2 「アクティブユーザー」で一定期間のユーザー数を把握する
- 3 「コホート分析」でサイトへのリピート率を確認する
- 4 「ユーザーエクスプローラ」でユーザーごとの動きを分析する
- 5 「ユーザー属性」でユーザーの性別や年齢を確認する
- 6 「インタレスト」でユーザーの嗜好を把握する
- 7 「地域」でユーザーの居住地域を把握する
- 8 「行動」でユーザーの訪問回数や頻度を分析する
- 9 「テクノロジー」でユーザーの閲覧環境を把握する
- 10 「モバイル」でユーザーの閲覧デバイスを把握する
- 11 「ベンチマーク」で競合との違いを分析する
- 12 「ユーザーフロー」でユーザーのページごとの移動を可視化する
- 13 まとめ
「概要」で基本的なアクセス解析をする
この章では、ユーザーレポートにおける「概要」の解説を行います。
まずは、アナリティクスのサイドメニューにある「ユーザー」→「概要」をクリックしてください。
すると、以下の画面になります。
一つひとつ解説します。
番号 | 項目 | 確認できるデータ |
① | 期間 | いつからいつまでのデータを確認するのかを決める |
② | セッション | 一人のユーザーがサイトに訪問した回数 |
③ | ユーザー | サイトに訪れたユーザーの人数 |
④ | ページビュー数 | 見られたページの数 |
⑤ | ページ/セッション | 一人のユーザーが、一訪問あたり何ページ見ているか |
⑥ | 平均セッション時間 | 一人のユーザーが一訪問あたり、何秒間サイトに滞在しているか |
⑦ | 直帰率 | 全訪問数のうち、1ページしか閲覧しなかったユーザー数の割合 |
⑧ | 新規セッション率 | サイトに訪問したユーザーのうち、初めてサイトに訪れたユーザーの割合 |
また、上記の「概要」ページの②〜⑧の赤枠の部分をクリックすると、それぞれの項目の詳細データを確認できます。
以下の図は、赤枠の部分「ページビュー数」をクリックした場合のグラフになります。
このように、各項目のデータの詳細を確認できます。
上記の八つのデータは、Googleアナリティクスを活用する上で、基本的なデータになりますので、さっと確認できるようにしておきましょう。
上図から、ページ下部に移動すると、セッションをユーザー層ごとに選別したデータを確認できます。
以下は、市区町村ごとのセッションデータになります。
「オペレーティングシステム」をクリックすると、閲覧端末のOS別にセッション数を確認できます。
あなたのサイトにはどんな層のユーザーが訪れているのかを確認するための、便利なデータになります。
まずは各項目をクリックし、データを確認してみましょう。
「アクティブユーザー」で一定期間のユーザー数を把握する
この章では、ユーザーレポートにおける「アクティブユーザー」の解説を行います。
アクティブユーザーとは
ある期間内に、一回以上あなたのサイトに訪れたユーザーのことを指します。
管理画面から、「ユーザー」→「アクティブユーザー」で確認することができます。
アクティブユーザーを開くと、以下の画面になります。
赤枠の部分にチェックを入れることで、各期間のデータを確認することができます。
それぞれのデータは以下のことを表しています。
- 1日のアクティブユーザー数
→その日のアクティブユーザー数 - 7日間のアクティブユーザー数
→その日を含めた過去7日間のアクティブユーザー数 - 14日間のアクティブユーザー数
→その日を含めた過去14日間のアクティブユーザー数 - 30日間のアクティブユーザー数
→その日を含めた過去30日間のアクティブユーザー数
このデータは主に、会員制サイトなどを管理している方にとって、役立つデータとなります。
例えば、あなたが会員サイトを公開し、一気に会員登録者が増えたとしましょう。
しかし、その後、
- 期待はずれ
- コンテンツの量が少ない
- 二度と使わなくていい
といった理由で、会員サイトを閲覧しない登録者が増えるとします。
一時的にアクティブユーザーは増えても、長期的な視点でデータを見ると、その会員サイトはユーザーにとって有益なものではないということがわかります。
- 定期的に有益なコンテンツを追加する
- 新規のユーザーを獲得できる仕組み
- 既存ユーザーを維持する仕組み
を意識することで、安定的、または滑らかな右肩上がりを維持し、ビジネスを拡大させることができます。
「コホート分析」でサイトへのリピート率を確認する
この章では、ユーザーレポートにおける「コホート分析」の解説を行います。
コホート分析とは
ある日、サイトに訪問したユーザーがその後、あなたのサイトに再訪問したのかを確認するデータ項目です。
「ユーザー」→「コホート分析」で確認することができます。
「コホート分析」の画面を開くと、以下のようなグラフが確認できます。
赤枠の部分の表示を切り替え、拡大してみると以下のようになっています。
上記のデータは、2017年4月13日に訪れた100人のユーザーのうち、
- 1日後に5人が再訪問
- 2日後に1人が再訪問
- 3日後に3人が再訪問
- 4日後に1人が再訪問
ということを表しています。
この日のデータは、他の日に比べると、たくさんの人数を維持できていることがわかります。
このことから、「この日の訪問者が読んだ記事は、何らかの形でユーザーを再訪問させるという特徴がある」などと分析できます。
あなたのサイトに訪れたユーザーが、その後、あなたのサイトにどのくらい定着しているかを確認してみてください。
「ユーザーエクスプローラ」でユーザーごとの動きを分析する
この章では、ユーザーレポートにおける「ユーザーエクスプローラ」の解説を行います。
ユーザーエクスプローラとは
あなたのサイトに訪れたユーザーごとに、どのような行動を起こしたのかを確認できるデータ項目です。
「ユーザー」→「ユーザーエクスプローラ」で画面を開くことができます。
すると、以下の画面になります。
この画面では、ユーザーごとのセッション数や直帰率、コンバージョン率を確認できます。
赤枠のクライアントIDをクリックすると、ユーザーごとに、さらに詳しいデータを確認できます。
特定のユーザーが
- 何月何日何時何分に訪問したのか
- 何ページ見たのか
- コンバージョンしたのか
- どのページを見たのか
を確認できます。
例として、以下の図をご覧ください。
このユーザーは以下のように行動を起こしています。
訪問した時刻 | ページビュー数 | 滞在時間 | 行動 |
2016.4.2 10:56 | 1ページ | 0秒 | 検索流入 |
2016.4.2 14:16 | 1ページ | 0秒 | 検索流入 |
2016.4.2 19:26 | 2ページ | 9秒 | 検索流入 |
2016.4.3 0:51 | 12ページ | 15分59秒 | 検索流入 |
2016.4.3 22:14 | 3ページ | 47秒 | 検索流入 / メルマガ登録完了 (青いフラグ) |
上記の表から、このユーザーは3回目の訪問で、サイトやサービスに興味を示したことがわかります。
そして、5回目の訪問で興味関心が頂点に達し、メルマガ登録に至りました。
ユーザーエクスプローラを確認することで、ユーザーひとりひとりの行動や状態を把握することができます。
かなり詳細なデータではありますが、サイトを改善するための足がかりにしてみてください。
「ユーザー属性」でユーザーの性別や年齢を確認する
この章では、ユーザーレポートにおける「ユーザー属性」について解説します。
「ユーザー」→「ユーザー属性」→「概要」をクリックで、開くことができます。
ユーザー属性では、以下の項目を確認することができます。
- サイトに訪れたユーザーの年代
- サイトに訪れたユーザーの性別
あなたが当初予定した年代・性別のユーザーが訪れているのかを確認してみましょう。
もしもズレがあれば修正するか、サイトに訪れているユーザーにウケるコンテンツを作るという選択肢もあります。
「インタレスト」でユーザーの嗜好を把握する
この章では、ユーザーレポートにおける「インタレスト」について解説します。
インタレストとは
訪問ユーザーが普段どのようなことに関心を持っているかを把握することができるデータ項目です。
「ユーザー」→「インタレスト」→「概要」で確認することができます。
インタレストを開くと、以下の画面になります。
それぞれ、以下のような意味があります。
- アフィニティカテゴリ
→ユーザーのライフスタイル、普段どんなコンテンツを閲覧しているか - 購買志向の強いセグメント
→コンバージョンしやすいユーザーの関心の高い分野 - その他のカテゴリ
→普段どんなコンテンツを利用するユーザーか
以下は「アフィニティカテゴリ」をクリックしたページです。
それぞれのジャンルごとに、アクセス解析を行うことができます。
このデータから、以下の分析を行い、改善を行いましょう。
- 今後ターゲットとするユーザー層を発掘する
- ターゲットにしていたユーザーが訪れているかを確認する
「地域」でユーザーの居住地域を把握する
この章では、ユーザーレポートにおける「地域」について解説します。
「ユーザー」→「地域」→「地域」をクリックして、レポートを開きます。
「地域」では、あなたのサイトに訪れたユーザーの居住(閲覧した)地域を確認することができます。
まずは、以下の赤枠の「Japan」をクリックします。
すると、日本国内のどの都道府県からアクセスがあっているのかが一目でわかります。
特に、地域ビジネスを行なっているサイトほど、事業地のある地域からのアクセスを増やす必要があります。
もしも、地元からのアクセスがない場合は
- アクセスが集まらないのはなぜか
- どうすればアクセスが集まるか
を考えてみましょう。
「行動」でユーザーの訪問回数や頻度を分析する
この章では、ユーザーレポートにおける「行動」の解説を行います。
まずは「ユーザー」→「行動」をクリックしてください。
「行動」は三つの項目からなり、それぞれ
- 新規とリピーター
→新規のユーザーと再訪問のユーザーの数を分析 - リピートの回数や間隔
→訪問回数ごとにユーザーを区分けし、セッション数やPV数を分析 - エンゲージメント
→ユーザーの滞在時間ごとに区分けし、セッション数とPV数を分析
になります。
ひとつひとつ見ていきましょう。
以下は、「新規とリピーター」のグラフになります。
- New Visitor
→新規のユーザー - Returning Visitor
→再訪問のユーザー
ごとにアクセス解析を行うことができます。
新規のユーザーも大事ですが、再訪問のユーザーが増えることが、サイトのクオリティの高さだと言えます。
なぜなら、あなたのサイトがユーザーにとって、低品質だなと感じた場合、二度とアクセスしないからです。
新規のユーザーを確保しながらも、再訪問のユーザーが増えているかどうかを確認しましょう。
次に確認するのが、「リピートの回数や間隔」になります。
このグラフでは、あなたのサイトに訪れたユーザーのうち、その訪問回数ごとにアクセス数を確認できます。
例えば、上記のグラフでは、対象サイトへの訪問数が5回のユーザーが、合計296セッションを記録しています。
また、101〜200回訪れているユーザーは404セッションを記録していることがわかります。
他にも、以下の赤枠の「セッションの間隔」をクリックすることで、再訪問ユーザーが何日の間隔を置いて、あなたのサイトに訪れているかがわかります。
最後に、「エンゲージメント」です。
エンゲージメントでは、同じ滞在時間のユーザーごとに、訪問数やPV数を分析することができます。
また、「訪問時のページ数」をクリックすることで、ユーザーのPV数ごとに、アクセス解析をすることができます。
「テクノロジー」でユーザーの閲覧環境を把握する
この章では、ユーザーレポートにおける「テクノロジー」の解説を行います。
「テクノロジー」では、あなたのサイトに訪れたユーザーが、どのようなブラウザであなたのサイトにアクセスしているのかがわかります。
管理画面へは、「ユーザー」→「テクノロジー」→「ブラウザとOS」で入ることができます。
以下の表で、あなたのサイトに訪れているユーザーのブラウザを知ることができます。
例えば、上記の表では「Safari」と「Chrome」が圧倒的に多いです。
つまり、このふたつのブラウザで閲覧テストを行うようにすれば、ユーザー目線でサイトをチェックすることができます。
逆に、「Edge」というブラウザでは直帰率が高いため、サイトが見にくい可能性があります。
ちょっとしたデータの歪みから、サイトの改善案を立ててみましょう。
「モバイル」でユーザーの閲覧デバイスを把握する
この章では、ユーザーレポートにおける「モバイル」の解説を行います。
「ユーザー」→「モバイル」→「概要」をクリックしてください。
「モバイル」では、ユーザーの使っている端末を把握することができます。
以下の表をご覧ください。
スマートフォン(mobile)からのアクセスが、極めて多いのがわかります。
しかしながら、スマートフォンからのアクセスは以下の特徴があります。
- 直帰率が高い
- ページ / セッションが低い
- 平均セッション時間が短い
つまり、サイトのアクセスの大半がスマートフォンユーザーにもかかわらず、スマートフォンユーザーに使いやすいサイトになっていないのです。
たった三つの分析項目ですが、簡単にサイトの改善案がでてきます。
次に、「ユーザー」→「モバイル」→「デバイス」をクリックしてください。
さらに詳しく、ユーザーの使用端末を把握することができます。
こちらも、端末ごとに直帰率やセッション時間に違いが出てきています。
改善の余地ありですね。
「ベンチマーク」で競合との違いを分析する
この章ではユーザーレポートにおける「ベンチマーク」の解説を行います。
ベンチマークとは
自サイトと競合他サイトの平均的な数値を比較し、自サイトの改善点を発掘するデータ項目のことです。
「ユーザー」→「ベンチマーク」→「チャネル」でデータを確認できます。
「チャネル」を開くと以下の画面になります。
赤枠の部分を調整しましょう。
- 業種
→あなたのサイトの業種 - 国/地域
→あなたのサイトの国や地域 - サイズ
→あなたのサイトのアクセス数の規模
を設定しましょう。
設定が終わりましたら、ページ下部に移動します。
以下の部分では、競合サイトとあなたのサイトを項目ごとに比較したデータになります。
赤い部分が競合に比べると劣っている部分で、緑色の部分が優れている部分になります。
データの見方としましては、以下のようなマス目では、次のことを表しています。
- 49,912
→自サイトのデータ - 102,445
→競合サイトのデータ
自サイトは、競合に比べ、どのような部分が劣っているのか?
また、強みは何なのかを探ることができます。
「ユーザーフロー」でユーザーのページごとの移動を可視化する
この章では、ユーザーレポートにおける「ユーザーフロー」の解説を行います。
「ユーザーフロー」では、サイトに訪れたユーザーのページの遷移を可視化することができます。
管理画面には、「ユーザー」→「ユーザーフロー」でアクセスできます。
管理画面は以下のようになっています。
まずは、あなた自身が見たいデータを以下の部分から選択しましょう。
今回は、「ブラウザ」ごとのユーザーのページ遷移をチェックしていきます。
以下のデータをご覧ください。
Safariから訪れたユーザーがもっとも見ている記事です。
この記事は、アクセス数こそ集まっていますが、ユーザーの98.8%が次のページには行かずに、離脱しています。
つまり、このページに対して、「次のページを読んでもらうための工夫」をすることで、PV数を大きく伸ばすことが可能になります。
このように、「ユーザーフロー」は単に見やすいだけでなく、事象に対する仮説を立てやすいので、次の検証までの時間を早めることができます。
ぜひ、視覚的にあなたのサイトの改善案を発掘してみてください。
まとめ
今回は、Googleアナリティクスにおける「ユーザーレポート」の確認方法と、簡単な分析方法をお伝えしました。
Googleアナリティクスを扱う上で、もっとも基本的な部分ですので、早めに使いこなせるようになりましょう。